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協会の記事ではありません。
サークル仲間の所感です。
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11月20日 瞑想日記 『さよなら、マイストーリー』
先日の兵庫県知事選の結果を知って、私も「さよなら、マイストーリー」を思い出しました。私たちは生まれたときから、外界の音(波)・光・匂いなどを感知して、ねつ造してマイストーリーを作って生きてきました。マイストーリーは何処まで行っても、死ぬまでマイストートリーです。事実と一致することはありません。理論では理解しても、どうしてもマイストーリーを作って、世の中を認識理解してしまいます。
気づきがあれば、最小限の被害で済むのですが、マイストーリーは、事実に似せてあるから、先ず自分をスッカリ騙します。
自分の考えたことが事実だ(自分が正しい)と無意識に思っています。だから、違ったストーリーを見て、愕然としたり驚いたり、腹を立てたり、愚かです。
そもそも、兵庫県の職員が自死したことやその真意は私にはわかりません。人が自死するのは、怒りや怨みのエネルギー以上に、自分のストーリーを消し去りたい強い思いがあったと思います。その全容は確かに私にはわかりません。しかし、次第にその全容がボンヤリと見えてきて、これはニュースで云われていることと違った何かがあったことが見えてきました。
私の斎藤氏の見方も変化しました。少なくとも兵庫県民は、私よりこの選挙で誰を選ぶべきかを真剣に考えたと思います。彼には怒り体質などの問題はあるようですが、それより周囲社会に損得利害感情で汚れた隠れた大きな悪意があったようにも感じます。
私に一番大切なことは、「さよなら、マイストーリー」です。
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【さよなら、マイ・ストーリー】 A・スマナサーラ長老
私たちは生まれてから現在に至るまで、「自分の世界」を作って生きています。その自分の世界を他人は知らないのです。赤ちゃんのときから外の情報、五根(眼耳鼻舌身)に触れた情報から自分勝手なストーリーを作るのです。情報からストーリーを作るのは意識です。
では、私たちの耳に触れる情報とは何でしょうか? 耳に触れるのは音ではなく、空気の振動なのです。実際、外の世界には空気の振動があるだけで、そこに「音」はありません。しかし、耳は空気の振動を「音」として認識します。耳がどれくらいの感受性をもっているのか、神経や脳がどのように働くのかということによって、空気の振動がさまざまな「音」に変換されるのです。ですから、音を聞いて外の世界のことを知ったと思うことが、生命にとって最初の間違いなのです。
空気の振動を音に変換したところから、声・音楽・雑音や騒音など、頭の中でストーリーが作られます。その音や音楽について、感情を積み重ねてマイ・ストーリー(my story)を作るのです。ある人が音についてマイ・ストーリーを作っても、他人はそれを知りません。他人にマイ・ストーリーを伝えることはできないのです。ある人がある空気の振動に触れて「これはいい音楽、サイコー」と思っても、他人がどう感じるのかわからない。
私たちは各々、自分だけのストーリーを作って生きているのです。人間のコミュニケーションとは、マイ・ストーリーを無理やり相手に伝えようとすること。相手も同じことをします。それでは上手くいくはずがありません。ですから、怒り・嫉妬・憎しみ・落ち込み・欲などあらゆる悪感情にさいなまれて悩むことになります。人間関係はトラブル続きになるのです。
すべてはマイ・ストーリーの仕業です。それぞれのマイ・ストーリーに合わせて、生き方や悩み苦しみが変わってきます。その悩み苦しみは誰が作ったのでしょうか?
答えは「自分」です。私たちがまずやるべきことは、自分で作ったマイ・ストーリーに気づき、自覚することです。
生きるとは、マイ・ストーリーを作って悩み苦しむことです。ヴィパッサナー冥想とは、マイ・ストーリーを中止する実践です。マイ・ストーリーに依存しているので、冥想実践を始めると不安を感じることもあり得ます。でも、心配無用です。ブッダはご自分で試したうえで、解脱の道を完璧に説かれたのです。不安になるのは、冥想のせいではなくマイ・ストーリーのせいです。冥想の成功者とは、マイ・ストーリーの仕組みを発見し、作ることをやめた人のことなのです。
※2019年 12月 パティパダー『智慧の扉』
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