『欲界』 kāma-avacaraとは?

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協会の記事ではありません。 吉水 秀樹 安養寺住職 のfbより紹介です。


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『欲界』 kāma-avacaraとは?

 実は私は初期仏教に出会うまで、この世は幸福な世界であるあるべきで、基本この世こそが素晴らしい世界だと思っていました。他の世界の存在すら知らなかったのです。しかし、今はただこの世は「欲望の世界」だと思っています。  さて、みなさんはこの世の中をどのように見ておられますか? これはたいへん根本的な問題です。

 学生時代から仏教用語としてのこの世の見方は知っていました。娑婆・忍土・穢土・五濁悪世・俗世間・此岸・迷いの世界…など、たしかにろくな表現はありません。浄土教は、厭離穢土と言ってこの世を厭う(嫌う)ことが根本にあります。

 仏教では存在の世界を「欲界・色界・無色界」の三つに分けています。基本、欲界の生命は肉体(色)を持ち、その肉体の感覚器官の刺激によって生きています。つまり、私たちが生きているこの世界は、「欲界」なのです。  「欲界」は欲望のある生命が住む世界で、八大地獄から六欲天までの領域であり、地獄・餓鬼・畜生・修羅・人・天の六道が欲界に含まれています。私もあなたもゴキブリさんも天女もこの欲界に生きている衆生です。この世界では生存の為の、せめぎ合い・争いが繰り広げられ絶えることはありません。

 ★欲界の「欲」kāmaカーマの意味は、感覚器官に触れる対象のことです。

 眼耳鼻舌身 触 ↓↓↓↓↓ 触れる  色声香味触

眼に見える対象【色】・耳に聞こえる対象【声】…舌に入る対象【味】身体に触れる【触】 色声香味触が「欲」です。

 ★欲界の「界」avacaraの意味は、「その辺をグルグル回っている」とい意味です。六根に触れる六境を縄張りにしてグルグル回って動いているという意味です。

 冥想によってこの辺りの動きをありのままに観察できるようになると、こころが落ち着いていきます。欲界はこの程度だと了知するのです。このようなこころの状態を基本「禅定」と呼んでいるのです。

 テレビが画像を流していたとします。料理番組で美人タレントが美味しいと絶賛して何か食べています。「私もあれが食べたい!」とならずに、落ち着いています。トランプ大統領や阿部総理の言動が流れていても、韓国との領土問題や沖縄の基地問題が流れていても、欲界の生命は、食欲・性欲・所有欲・権力欲・自己顕示欲…生存の為の「欲」が原動力なので、直ぐに彼らの欲を取り除くことはできないなと、ストレスなく見ることができます。その上で彼らに「欲」のエネルギーをそれ以上与えない道が見えています。

 ◎この世の中、つまり「欲界」は、牢獄のようなものです。牢獄での境遇の改善を望んで、ソファーやテレビを集めて暮らすより、この牢獄からの脱出計画を練ることが肝心です。脱獄・脱出とは「解脱」のことです。牢獄からの脱出計画の最初にするべきことは、欲界に生きる生命(私)の姿をありのままに見ることです。



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